N-ONE e:(エヌワンイー)の試乗レポート
私は電気自動車には懐疑的でしたが、今回の試乗で印象がガラリと変わりました。
乗り心地、馬力に関しては文句なしで軽自動車としては最強レベルですね。
フロントから見た感じ

横から見た感じ
外観から14インチのアルミホイールを装着しているため、N-ONE e:の上位モデル(e:L)であることが分かります。

運転席の雰囲気
ガソリン車のNシリーズとほとんど変わりませんが、シフトレバーではなく、その場所にボタンが並んでいてます。
これは分かりやすく、助手席と運転席の横移動にも邪魔にならず良いですが、視線を外に向けたままでも無意識に操作するためにはシフトレバー方式の方が良いのかも知れません。慣れの問題か否かは短時間の試乗体験ではわからず。

最初に一番驚いたのは、当たり前ですがエンジン音がしない違和感。
エンジンスタートボタンは通常のNシリーズと共通の場所に同じボタンがあるので、いつもの気持ちでスタートボタンを押すと、何も反応がない気がして違和感があります。電気だから当たり前で静粛で素晴らしいのですが慣れないとびっくり。
路上でテスト走行は羊の皮を被った狼でした
アクセルをベタ踏みしてやっと普通車の発進の流れについて行けるかどうかが普通の軽自動車です。
普段乗っているNボックスカスタムターボなら軽く加速したら普通車の流れに乗れます。
さて、電気自動車の軽自動車はどうなのか?
その結果は軽ターボを超える発進加速でした。シートの背もたれに体が押し付けられる加速Gはとても軽とは思えないものでした。しかも静かだから、その雰囲気はまるで2000CCクラスでした。
あまりにスポーティーな加速なので、普通のノンターボの軽に慣れている女性だと怖いほどの加速をしてしまうかも知れないので、慣れるまではアクセルをそっと踏むようにした方が良いレベルでした。
長距離ドライブにはまだ難しい
急速充電で30分要するということは、長距離ドライブだと途中で200km間隔くらいで充電するとして、その都度で毎回30分の休憩です。
この時間を許容するとしても懸念されるのは急速充電スペースが空車であるかです。仮に一台の充電待ちでも自分の充電完了まで60分になるとすれば。。。。
遠乗りする車としては、この先の充電インフラ整備が待たれる感じがします。
充電インフラも整備必要ですが、この車を買ったら自宅にも急速充電設備が欲しくなる人も多いのではないでしょうか。その場合の工事費はどれくらい必要なのでしょうかね。本気で購入検討する際は、この辺りも確認が必要ですが住宅メーカーさんに聞くのかディーラーさんに聞くのか?
N-ONE e:(エヌワンイー)試乗のまとめ
軽自動車とは思えないパワフルかつスムーズな加速性能です。
これほど走りはスポーティーなのに、高級車のような静かな室内で初めて乗った電気自動車は予想外の好印象でした。
乗用車としては好印象しかしチャーター業務用としては難しい
この車両は乗用車として販売されていますが、今後チャーター業務にと考えるとしたら?
動力性能と乗り心地最適なのですが、業務用としての導入ハードルは、車両価格が軽自動車としてはN-Boxカスタムターボ比較でも大差で高いこと(上位モデルで税込で約320万円)。
更に、長距離チャーターに使う車としては、充電インフラの整備不足が課題として挙げられます。2025/09/29現在。
例えば、仙台から東京までの急ぎのチャーター便だとして、1充電での走行可能距離がカタログで300Km弱なので、色々余裕みて限界が250Km程度だとして、まさか限界で給電ということも出来ないので、高速のSA間隔から見ても200Km間隔では給電が必要です。
しかしながらSAに入っても給電場所が空車とは限らないので、もし一台待ちだとして30待ちで、自分も充電して60分、これを何度か繰り返して東京まで行くならばロス時間が多すぎて難しいでしょう。
高速充電機能が5分程度に短縮されるとか、一回の充電で航続可能距離が600Kmとか増えたら良いのですが、現状では家庭用のチョイノリや通勤用の自動車として最適解な気がします。もちろんメーカーさんもそのつもりで作っていると思いますし。
チャーター業務では深夜にかなりの田舎まで行く可能性もあるので、充電インフラが今のガソリンスタンド同等に増えないとやっぱり難しいような気がします。
結論
チャーター業者として見ると、軽電気自動車は現時点では時期早尚で対象外ですが、動力性能と乗り心地はチャーター業務に最適でした。
とても惜しい気がしますが、現状ではガソリンエンジンの軽自動車が今後も開発され続けることが一番だと思います。あくまでチャーター業者としての今日現在の見解です。
乗用車として特に2台目の乗用車としてチョイノリ専用にするならば最適な軽電気自動車だと思います。価格は気にしない人ならば(笑)。